新施設長就任のご挨拶
2021/07/16この度、介護老人保健施設いなほ前施設長瀬谷先生の後任として施設長に着任しました遠藤尚暢(えんどうなおのぶ)です。
昭和18年2月生まれ、ひつじ年の78歳となります。
故あって、昨年6月に32年間続けた整形外科医院を閉院しました。当初の計画通り、閉院のための雑用以外まったく仕事せず1年間を過ごしてみましたところ、世間と隔絶した生活とはこんなにストレスが溜まるものかと認識させられました。今までの生活パターンと違うということだけで、言うに言われぬ不安感があらゆるところから沸き上がり、日々のストレスをどんどん増大させるということがはっきりしました。
さて、この施設に来ておおよそ1か月になります。
入所者の方々は、十人十色、それぞれのストレスを感じていて、それに耐えて日々を過ごしているのだろうと実感しています。
ひるがえって、当所の職員に目を向けますと、多くの職種があり、それぞれの部署が連携して、入所者の多種多様な要求に答えようと日々大変な努力をしていることも分かりました。
また、これまで深く考えたことのなかった医療と介護について、今までは医療と介護は必要に応じていつでも行ったり来たりできる、分割できない一塊のものと考えていましたが、この臨床現場では医療と介護という2要素が背中合わせに切り離せない状態で存在していて、(福祉施設のシステムや運営上の理由などからだろうと推察しますが)、この二つの間には厚い壁が存在し、気軽には行き来できないのだという不便さと不合理さも感じとることができました。
この壁は、ある意味、とても難しい壁だとおもっています。介護福祉というシステム上これからも外せそうでいてなかなか外せない壁なのだろうと理解しています。
とは言え、2025年に団塊の世代がリタイアし、2040年まで高齢者は増え続けます。
施設への要求度は高まるばかりだと思います。
入所者とそれにこたえるスタッフ側とのギャップを出来るだけ小さくして、入所者の不満、ストレスを縮小、「生きている感」をおおいに実感できるような対応ができればと思っていますがとても難しく大きな命題です。
人間はすべて、人としての尊重を守られたままで、一生を終えたいと考えている筈ですがら、この福祉制度のなかで出来るだけ、それを守り、又、人としての尊厳を毀損することがないようにできればいいなと思っています。
社会福祉法人雄心会
介護老人保健施設いなほ
施設長 遠藤 尚暢