現在、平均寿命は男性が81.1歳、女性は87.3歳となっておりますが健康寿命はと言いますと、男性が72.1歳、女性は74.8歳です。つまり男性・女性ともに約10年間は何らかの支援や介助がなければ日常生活を過ごす事が難しくなります。せっかく健康に気を付けられ長生き出来るのであれば少しでも長く自分の事は自分でしたいと思うのが本心ではないでしょうか。
私は仕事柄、ご高齢の方とお会いする機会が多くありますが、「まだ元気だから通所介護・通所リハビリには行かない」「人の世話にはなりたくない」とお話される方が多くいらっしゃいます。しかし、そのようなお話をされるほとんどの方に数年もしくは数カ月後「やはり通おうと思う」「最近歩けなくなってきた」とご連絡を頂きます。残念ながら久しぶりに会われた方の中には以前お会いした時よりも日常生活動作が低下し、中には介助が必要となっている方もいらっしゃいます。日常的に運動などを行わなければ体力・筋力は低下します。筋力が低下してからでは元の状態に戻す為にかなりの時間を要しますし、もちろん、その分、歳も重ねる事になります。何事も悪くなってからではなく、介護予防を踏まえた1つの方法に通所系サービスがあると考えて頂ければと思います。
通所系サービスでは専従の専門職を配置している事業所も多く、個々の身体機能や生活機能を評価し、ニーズに合った運動プログラムを作成しバランス運動、柔軟性運動、筋力づくり運動、持久性運動など身体状況に合わせ運動を行うことが出来ます。また、普段はあまり気にされない血圧などの変動を確認する事が出来、体の不調にいち早く気が付く事も出来ます。
ご自身の健康寿命を1日でも永くするために在宅サービスご利用の最初の一歩を踏み込んで頂ければと思います。
「HAKORAKU ハコラク」
2019年3月号に掲載 ※2019年2月15日(金曜日)発行